2008年03月30日

日本経済新聞社の経営分析

本日、
日本経済新聞の朝刊を見ていたら、
日本経済新聞社の決算公告が掲載されていた。

日本経済新聞社は、12月決算会社だったんですね。
「業績いいじゃん」と思い、さらにネットで検索

決算短信を発見
(ただし、日本経済新聞社は、非上場企業なので、簡略バージョンです。)

以下に主要な数字を記載してみる。
(すべて、連結。)

売上高は、3,840億円。
営業利益は、395億円。
経常利益は、423億円。
資産は、4,830億円。

規模は、上場企業レベルと比較すると、
中堅規模だが、
メディア企業としては、規模が大きいほうだ。

ちなみに、フジテレビの売上高は、約5,826億円
TBSテレビの売上高は、3,187億円
角川書店グループの売上高は、1,498億円
朝日新聞社は、3,875億円
(ただし、上記の会社は、すべて平成19年3月期)

収益性は、
売上高営業利益率は、10.3%。
総資産経常利益率は、8.9%。
自己資本当期純利益率は、8.2%。

上場企業の平均値と比較すると、
売上高営業利益率と総資産経常利益率は、平均を上回るが、
自己資本当期純利益率は、平均よりちょっとだけ下回る。

ただし、収益性の3つの指標は、
平成18年12月期と比較すると、
低下しているのが、気になる点だ

安全性は、
自己資本比率が、57.1%で、かつ良くなっているので、
まったく問題ない

成長性は、売上高増加率と各利益の増加率はすべてマイナス。
つまり、減少しているということだ。
しかも、各利益の減少率は、売上高の減少率を上回る。

そんなわけで、成長性は、問題ありである

キャッシュ・フローの状況は、
2会計期間とも同じ結果。

営業活動によるキャッシュ・フローがプラス、
投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス、
フリーキャッシュフローは、マイナス。
財務活動によるキャッシュ・フローは、マイナスとなっている。

デジタル配信やインターネットに対応しなければいけないし、
さらに、
業種を超えていろいろな会社と競争状況にあるので、
日本経済新聞社にとって、
投資をしないと将来は生き残れない状況にあることがわかる。

以上より、
日本経済新聞社は、
現状では、
収益性と成長性に問題があることがわかる

これらの状況を打開するために、
投資をしているが、
この投資が成功して、果実を生み出せるかどうかが、
将来も、優良企業であり続けられるかがのポイントだろう

なお、
配当性向が、1.9%というのは、
非上場企業であるが故に許される数字だ

また、
テレビ東京に対する日本経済新聞社の持ち株比率は、33.34%ということなので、
連結ではなく、持分法を適用しているのではと思いますが、
間違っていたらごめんなさい

  

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2008年03月28日

インサイダー取引は本当にあったのか

本日ネットでニュースを見ていたら、
インサイダー取引疑惑のニュースが掲載されていた。

「ピンキー&ダイアン」展開、社長がインサイダー疑惑(読売新聞)

読売新聞の記事によると、
人気のファッションブランド「ピンキー&ダイアン」や「ナチュラルビューティー」などを手がける東証1部上場のアパレル大手「サンエー・インターナショナル」(東京都渋谷区)は、
2006年春ごろに、新株を発行して130億円の資金を集める公募増資を実施する方針を内定した。
そこで、同社の三宅正彦社長(73)が、
この直後に、新株予約権を行使して自社株を取得し、すぐに売却して、
1000万円を超える利益を上げたそうだ。

そこで、
証券取引等監視委員会はインサイダー取引とみて、
金融商品取引法違反の疑いで本格的な調査に乗り出した。

一方で、
会社側は、
証券取引等監視委員会の調査を受けている事実は認めたが、
この三宅社長の取引は、
インサイダー取引に該当しない旨の発表をしている。

詳細は、会社が発表した文書を読んで欲しいが、
野村証券にインサイダー取引に該当しないことを、
確認したと書いてある。

さて、どちらが本当なのか?

個人的には、
73歳を過ぎた社長が、
1000万円の個人的利益を、
違法に確保しちゃうという感覚が信じられない。

この報道が事実ならば、
三宅社長のこれまでの業績と人生は、
すべて水の泡となる

つまり、非常に高い1000万円ということになってしまうのだ

会計事務所という仕事をしていると、
お金との付き合い方は、とても難しいと感じる

特に、社長さんは、
リスクを負ったり、自分の時間を犠牲にして、
仕事に打ち込んでいるのだから、
人より高い報酬をもらうべきだ

しかし、
お金に固執してしまうと、
友人やこれまでの実績など、
いろいろな大切なものをすべて失ってしまうこともある

お金のことや、
お金に関する人生や人の気持ちをいろいろと勉強して、
お金と上手に付き合うようにしましょう

  
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2008年03月26日

赤坂サカス(akasaka Sacas)

本日は、春らしい良い天気になり、桜は満開状態

夜は、お客様の会社の経理担当者と、
久しぶりにご飯を食べましょうということで、会食

行った場所は、新しくて話題の場所が良いということで、
当事務所から徒歩5分の場所にできた「赤坂サカス(akasaka Sacas)」に出撃。

TBSの本社ビルの脇に、
ビジネスビル、レストラン、マンション、劇場などが新しく作られ、
平成20年3月にオープン。

つまり、できたばかりです。

今日選択したお店は、おでんの「おぐ羅」。
「銀座のおでんの名店“おぐ羅”が赤坂へ。
醤油を一滴も使わない澄んだおでん出汁の深い味わいはおぐ羅ならでは。
産地にこだわった季節料理とお酒で心やすらぐ時を。」
というお店の宣伝文が、期待を高める

行ってみると、飲食店フロアーは、
お客さんが良く入っていて、活気があります。

しばらくは、予約した上での来店が、お勧めです。

事務所のそばなので、
活用回数が増えそうなビルです。

さて、「おぐ羅」。
開店直後で、まだ需要の予測ができないのか、
食べたいネタが、
早々に売り切れになったりしていましたが、
あっさり味で、おいしかったです

おでん以外のお刺身やおつまみ系も、おいしかったです。

  
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2008年03月25日

決算処分のコピー機を衝動買い

昨日、事務所で仕事をしていたら、
コピー機のちょっとした修理にキャノンのサービスの人が来た。

無事、修理が終わったので、ちょっと話してみた。

「当事務所のコピー機は、まだ使える?」

感覚的に、
故障が増えたというか、
コピーや印刷した紙が汚れやすくなったような気がしていた

サービスの人は、
「まだ、使えますけど、
もっと速く印刷できる機械があります。
それに、3月は、決算月なので、
特別価格で提供できます」と、おっしゃるではないですか。。。

特別に安くなるという言葉には弱い

それに、会計事務所は、申告書・決算書・帳簿など紙への印刷が多い。

印刷スピードが速くなることは、
業務の効率改善に直結する

個人的には、
会計事務所で最も投資効果が高いのは、
パソコンではなく、プリンターだと思っている。

そんなわけで、本日午前に早速営業の人が来る。
しかも、的確な見積書を持参

サービス部門と営業部門の連携ができていて、
かつ、顧客情報の共有ができているなと感じました。

さすが、優良企業のキャノンだ

お勧め商品は、SateraMF7450N

従来の機械だと、
1分間に16枚の出力だったのに、
1分間に25枚の出力になる。

約56%の効率改善である

問題のお値段は、
スキャナー機能や両面印刷機能のオプションを追加すると、
定価で100万円超。

ここから、どーんと約4割引き
定価の設定が間違っているのでしょうか

3年リースにして、約30分で商談成立

お安く買えたし、
業務の効率改善には、直結するし、
満足な商談でした。

ちなみに、通常は約2割引きぐらいだそうだ。

それから、納品日は、
「3月末日までに、納品と設定を完了させます」と、営業の人がきっぱりと明言

そりゃそうだ。

3月の売上計上とするには、
契約を結んだだけでなく、
納品を3月までに完了させないといけない。

会計の実現主義の要件どおりな、キャノンの営業さんでした
お見事
  
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2008年03月24日

民事再生法の適用申請を出したレイコフ

先週の出来事をネタにしてすいません

先週の20日(木)に、
大阪証券取引所のヘラクレス市場に上場している株式会社レイコフが、
民事再生法の適用申請を大阪地方裁判所に提出しました。

このレイコフ・グループは、
不動産投資ファンド事業を核として、
不動産に関わる全てのソリューション事業を行うことを目的としている企業グループだ。

倒産した原因は、
この民事再生法の適用を申請したことを発表した文書に、記載されている。

要約すると、
借入金をすることによって、
不動産物件を取得し、
その不動産の価値を高めて、
売却するビジネスをしていたが、
サブプライム問題で、借り入れができなくなったり、
不動産の売却ができなくなり、
資金繰りに窮したということのようだ。

このような結末を暗示していたのが、
平成19年8月期の決算。

平成19年8月期の決算短信を見ると、
売上高営業利益率は、10.7%で、
自己資本当期純利益率(ROE)は、14.8%なので、
収益性は問題ない

安全性の指標である自己資本比率は、
21.1%なので、日本企業の平均よりは低いが、
危険水準というわけではない。

成長性は、
売上高増加率が、35.4%増、経常利益増加率が69.8%増、
当期純利益増加率が、68.5%なので、
問題ない。

ところが、
連結キャッシュ・フローの状況を見るとびっくり

2会計期間連続して、
営業活動によるキャッシュ・フローはマイナス、
投資活動によるキャッシュ・フローもマイナス、
財務活動によるキャッシュ・フローがプラスである。

つまり、本業は、全くキャッシュを生み出していないことになる。

ちなみに、
有価証券報告書を確認してみると、
平成16年8月期より、
4会計期間連続して、営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナスだ。

企業の決算書を見て判断する時には、
損益計算書や経営分析値だけでなく、
キャッシュ・フロー計算書もきちんと見ないと、
判断を誤りますよという典型的な事例だと思う

さて、再生できるのか。
それとも、外資に激安で買われてしまうのでしょうか。  
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2008年03月23日

宇宙への秘密の鍵

題名:宇宙への秘密の鍵
著者:ルーシー&スティーブン・ホーキング
出版社:岩崎書店
価格:1900円(消費税別)

この本は、
ホーキング博士と娘さんが書いた、
世界中の子供たちに贈るスペース・アドベンチャーな小説。

つまり、子供向けの本だ。

実は、
私は、中学校や高校で、
天文に関する事業が大嫌いだった。

「春の季節に、北に見える星座の名前を覚えて、
なんの役に立つんだ」と思っていた

しかし、
「宇宙って、広大で、神秘的で、魅力的
でも、中学校や高校の教科書をもう一度読み直すのも辛い」ということで、
購入。

子供向きの本なので、
小説としての内容は、平易というか、わかりやすい。
小学校高学年から、中学生までが想定される読者対象だろう。

しかし、宇宙の基本的な内容が書いてあるほかに、
惑星や天体のきれいな写真が掲載されている

3時間ほどで読み終わりましたが、
久しぶりに、「サイエンス」に触れ、満足な時間でした

ここで問題です

中学生、高校生の時に、試験前に暗記した
「すい、きん、ち、か、もく、ど、てん、かい、めい」って覚えてますか。

太陽系の星で、
太陽から近い順に、
「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星」のことです。

ちなきに、冥王星は、
2006年8月の国際天文学連合の総会で、
惑星の定義に当てはまらなくて、
現在は、準惑星となっています。

1900円は、ちょと高いですが、
心の「きらきら」を保つためにも、
一読をお勧めします

  
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2008年03月21日

内部統制報告制度に関する11の誤解

確定申告と1月決算(3月申告)で、
余裕がなかったこともあり、
話題にするのを忘れていました

金融庁より、
2008年3月11日に「内部統制報告制度に関する11の誤解」なる文書が公表されています。

金融庁としても、
システム構築会社とコンサルティング会社が、
「内部統制をしっかりやらないと、
御社は、上場廃止になりますよ」みたいな営業方法と、
もうけ過ぎ批判を無視することはできなくなったのであろう

ただし、
内部統制報告制度の実施直前に、
こんな文書を出されても、
システム構築会社とコンサルティング会社に、
「おまえら、言っていることと事実は、違うようじゃねーか」と、
文句を言える会社は、どれぐらいあるのか?

実務的にも、
フローチャートを作成することによって、
実務上の問題点の把握と改善に効果があったという話を聞くことはある

それに、
会社内部の人でも、
内部統制という制度を利用して、
社内の権力と予算をゲットした人にとっては、
こんな金融庁の文書は、無視するしかない

内部統制報告制度は、
平成20年4月1日以後開始する事業年度から導入される。

さて、どうなるのでしょうか
  
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2008年03月19日

進化する中小企業と難易度が増す相談

本日の午前は、ある会社を訪問。

この会社は、従業員数は、20人ぐらいの小規模だが、
昨年、上海に駐在員事務所を設置。

中国の税制は、
基本的には、日本と同じ仕組みで、
法人と個人に、
法人税・地方税・消費税・所得税が課せられる。

逆に少し違うのが、
所得が発生しない駐在員事務所でも、
法人税が、課されたりする。

その結果、この会社でも、
中国で法人税や所得税が発生していて、
外国税額控除に関して、
調べないとわからないことが発生。

午後は、
ある会社の人と相談。

分社を計画しているのでその相談。

この会社の従業員は、100人ぐらい。
分社化して、権限と結果を明確化しようということのようだ。

分社化すると、
会計・税務・雇用関係などで、
検討事項が発生する。

実は、当事務所の他のお客様でも、
分社化を検討していて、
会計や税務で調べないとわからないことが発生していて、
ちょっと悩んでいます

中小企業でも、
大企業で実施しているような海外戦略や事業戦略を実施しないと、
生き残りと成長ができない時代になっています

当然、このような会社とお付き合いをしていく当事務所のような会計事務所にも、
専門的な知識が要求されます

勉強しなくっちゃ



















  
Posted by cpiblog01033 at 23:31Comments(0)TrackBack(0)

2008年03月18日

EDINETはどれぐらい良くなったのか

ようやく個人の確定申告が終了

これからは、法人の1月決算、2月決算、3月決算に突入する。
決算月の2ヶ月後が、申告・納付の期限なので、
5月ぐらいまでは、忙しい時期が続くことになる

スタッフのみなさん、がんばりましょう

さて、日本経済は、株安・円高により大変なことになっているので、
あまり話題になっていないが、
ネットで、有価証券報告書を見ることができる「EDINET」が、
XBRLを導入し、平成20年3月17日(月)より、
便利なシステムになったようだ

金融庁によると、
EDINETの各機能、サービス内容の詳細については操作ガイドより、
「EDINET概要書」および「各種操作ガイド」を確認しろということなので、
確認したいと思います

前評判では、
財務データのダウンロードができ、
分析等がしやすくなっているようです。

すいませんが、まだ、確認できていません。
これから、操作してみます

  
Posted by cpiblog01033 at 19:24Comments(0)TrackBack(0)

2008年03月15日

経営幹部になるには大変だ

本日は、昨日の雨も上がり、
朝から良い天気

ゆっくりと天気の良い土曜日を楽しみたいところだが、
本日は、朝から1日中、研修の講師の仕事

株式会社読売広告社で、
次期の経営幹部候補社員20名弱の皆さんを対象としたセミナーです。

内容的には、
1日で決算書と経営分析の基礎を学ぼうというコースで、
私が良く実施する内容です。

ただし、
通常と異なり、「経営者」という視点を強調して、
お話をしました。

みなさん、業務の忙しい3月ということで、
ゆっくり土曜日のお休みを満喫したいでしょうが、
10時から18時過ぎまでびっちりの厳しいスケジュールを消化

熱心に聞いていただきました。
ありがとうございました。

経営幹部を目指す人には、
「勉強」と「努力」と「熱意」と「体力」が必要です

  
Posted by cpiblog01033 at 20:57Comments(0)TrackBack(0)