問題となっている

問題の発端は、
2008年4月23日の決算発表の記者会見において、
永守社長が、
「休みたいならやめればいい」と発言したかのような記事が、
翌日の朝日新聞に掲載されたようだ。
ちなみに、これが、4月23日に朝日新聞のネットに掲載された記事。
どのような文脈なのかは知らないが、
このネットの記事では、
記者会見で、
「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。
たっぷり休んで、
結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」と、話したそうだ。
上場企業の社長が、
労働基準法を無視するような発言をすれば、
当然に労働組合は文句を言う。
具体的には、連合の会長が文句を言った。
結局、会社側は、
反響の大きさにビビって、
4月28日に報道は正しくないというコメントを発表した。
その、コメントがこれ。
いかにも、会社の総務部と法務部と顧問弁護士で作りましたという、
優秀なコメント文である。
さて、個人的見解である。
誤解を生じる危険性もあるが、
ちょっと書いてみよう。
結論としては、
永守社長の言っていることは、
基本的に正しいと思う

まず、
労働者の肉体的、精神的健康を害するような労働時間や日数を「強制」してはいけない。
このことについては、当然である。
しかし、
自分自身の「成長」を実現したい人は、
結果的に、長時間の労働は、「MUST」になる

なぜなら、「仕事量」=「効率」×「時間」
「仕事量」を増やす

成功体験・失敗体験・知識・人脈などが加速度的に増える。
したがって、
自分自身の「成長」を実現したい人は、
結果的に、長時間の労働は、「MUST」になる。
こんなことを書くと、
「金井さんは、古い考え方の人だ。
今の世の中は、効率重視で、
残業を否定している本が売れている」という人もいるだろう。
もちろん、「無駄」はいけない。
効率化して、時間を有効活用しないといけない

しかし、仕事量=「効率」×「時間」である以上、
ビジネス・パーソンとして、成長したいのなら、
「効率」だけでなく、「時間」も増やさないといけないのだ。
そうしないと、
自分自身の成長は実現できない。
さらに、世界に勝てない

少子高齢化ということを考えれば、
日本語を習得した優秀な外国人が、
今後、日本の労働市場に増えることは明白だ。
彼らの「やる気」を考えると、
日本人の労働市場における勝算は、低いのではないかと考えている

一方で、仕事は一生懸命やるが、
会社の仕事は、定時に終了して、
個人の生活もしっかり楽しみたいという人もいるだろう。
私は、そのような人の存在を否定はしない。
逆に。
そのような人を増やさないと日本の出生率は、
上がらないと思う

しかし、
このような生活を選択する代償として、
年収の水準は、
上がらないことを受け入れるべきだろう

つまり、会社の中で、
年収の高い人と低い人に区分されると考えている。
このことは、それほど悪いことではないと思ってりる。
なぜなら、自分の意志で、
どちらが自分の人生として望ましいかを選択できるからだ

なお、年収の低い人でも、
豊かな生活ができるような政策が必要だ。
具体的には、国の「無駄」をなくして、
ローコストの国づくりを進めないといけない。
今の日本の国民の生活自体も国際市場と無縁ではいられない。
具体的には、
今の日本でも、石油や食料品が、
世界の市況の影響を受け、値上がりしている。
したがって、
生活基盤を守り、
国際市場の変動の影響を緩和するためにも、
国の「無駄」をなくして、
ローコストの国づくりを進めないといけないと思う

今回の永守さんの発言は、
本質の部分は、
平和ボケしている日本人には受けいられない部分もあるかと思うが、
正しいと思う

しかし、私のような意見は、少数派なんでしょうね

永守さんの意見に同意するのは、
会社の創業者や、
中小企業・ベンチャー企業の経営幹部と少数の変わり者ぐらいかもしれません
