本日のブログは、
先週のネタでスタートです。
5月6日に、
株式会社コマーシャル・アールイーが、
東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。
業種は、
不動産業です。
「こんな会社知らない」という人でも、
前の社名が「幸洋コーポレーション」だったというと、
名前を聞いたことがあるかもしれません。
なお、
2010年になってからの上場企業の倒産は、
1月に会社更生法を申請した株式会社日本航空(JAL)に続いて、
2社目。
あきらかに上場会社の倒産件数は減っています。
さて、
まず平成21年3月期の決算短信を見てみましょう。
売上は、
約530億円ですが、
営業利益は、
約54億円の赤字。
当然に、
それ以降は全部赤字で、
当期純利益は、
約114億円の赤字になっています。
これらを反映して、
自己資本比率は、
前期の23.1%から4.9%に急落して、
倒産危険水準に突入しています。
これで、
営業活動によるキャッシュ・フローが赤字だったら、
この決算短信を発表した平成21年5月15日から1カ月以内に倒産していたと思いますが、
営業活動によるキャッシュ・フローは、
約43億円の黒字。
もっとも、
平成22年3月期の業績予想を見ると、
売上高は、
約24%のダウンの400億円で、
営業利益は約8億5千万円の黒字を確保する予想でした。
営業利益が約54億円の赤字から、
約8億5千万円の利益になるというのは、
私個人としては、
ぎりぎり信じてあげても良いレベルだと思います。
さて、
これを見た投資家は、
どのように判断したのでしょうか?
既に結果は出てしまいましたが、
未来の予測ができると、
数字が読めるということになります。
なお、
決算短信の19ページには、
継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象または状況が、
記載されています。
結局、
2009年11月11日には、
業績の予想に関する下方修正が発表されていて、
営業利益は、
7億1千万円の赤字の予想となりました。
それから、
2010年1月15日には、
会計監査人が、
大手のあずさ監査法人から中堅の清和監査法人に変更になっています。
公表されている文書を読むと、
監査報酬で合意できなかった(あずさ監査法人の監査報酬が高過ぎた)ようです。
それから、
清和監査法人の新人会計士による「清和監査法人J1のブログ」があります。
4月25日で更新が止まっていますが、
是非、
5月6日分を更新してほしいです。
監査証明を出しているお客様の会社が、
民事再生手続きを申請したときの、
監査法人内の様子を知りたいです(無理かな)。
さて、
今後、
順調に再手続きが進むことを祈って、
本日のブログを終了します。
合掌。