2012年05月30日

本社の人員削減をするパナソニックの決算短信

天気も良くなってきたし、
景気も悪くないような雰囲気がありますが、
業績の厳しい会社もあるようです

パナソニック:本社従業員を半減へ 12年度中に(毎日新聞)

パナソニックが、
平成12年度中をメドに、
本社の従業員約7,000人を半減するそうです。

まず、
本社の管理部門に、
7,000人いることがすごい

この毎日新聞の記事によると、
パナソニックの国内従業員は、
約10万人。

このうち、
本社の調達や品質保証、
情報システムなど事務部門4,000人と研究開発部門2,000人、生産技術部門1,000人が、
削減対象で、
これを半分にするらしい。

個人的な予想ですが、
人数を半分にすると、
当初は混乱すると思いますが、
しばらくすると、
無駄な業務や会議、報告書が省略され、
問題なく、
組織は機能し、
業務は進行すると思います

さて、
パナソニックの平成24年3月期の決算短信を見てみましょう
米国会計基準に準拠して、
作成されています。

売上高は、
7兆8,462億円ある巨大企業ですが、
前期比9.7%の減少

ちなみに、
海外の売上比率は、
約47%です。

営業利益は、
前期比85.7%減少し、
437億円しかないので、
売上高営業利益率は、
0.6%しかありません

そして、
早期退職一時金を、
1,009億円、
事業構造改造費用を、
7.671億円計上していることもあり、
当期純利益は、
7,721億円の赤字です

こんな状況なので、
営業活動によるキャッシュ・フローは、
368億円の赤字

さらに、
投資活動によるキャッシュ・フローと、
財務活動によるキャッシュ・フローも、
赤字なので、
現金及び現金同等物期末残高は、
約4,004億円減少し、
5,744億円になっています

急速に減っています

ただし、
現金及び現金同等物期末残高は、 
 急速に減っていますが、
5,744億円あるし、
自己資本比率も、
29.2%あるので、
すぐに倒産することはないと思いますが、
本社の人員削減を含む大規模なリストラが必要なことは、
明白です

なお、
セグメント情報を見ると、
その他を含めて、
8つの事業があります。

平成23年3月期では、
赤字の事業が1つでしたが、
平成24年3月期では、
3つに増えています

また、
残りの5つの事業でも、
1番高い営業利益率の事業は、
5.3%

会社に、
稼ぎの良い事業がないという状態です

ちなみに、
apple社の2011年9月期の決算書では、
売上高営業利益率は、
31.2%
同じく2012年9月期の第2四半期の決算書では、
売上高営業利益率は、
38.2%

また、
apple社の2011年9月期の決算書によると、
売上高は、
108,249百万ドルなので、
1$=80円で円換算すると、
売上高については、
パナソニック社とほぼ同規模です

さて、
なにがこの2社の現状を決めたのでしょうか

そして、
この2社の未来はどうなるのでしょうか


 
  

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2012年05月27日

大規模リストラをするルネサスの決算短信を読む

お天気が良い日曜日、
みなさん、
素敵な時間を過ごしていますか

私は、
時間の使い方が良くないようで、
やらなくてはいけない仕事があります

でも、
お天気が良いので、
早く終わらせて、
ゴルフの練習にも、
行きたいです

もっとも、
仕事の前に、
更新頻度が下がっているブログを書いてしまいます

半導体大手ルネサスエレクトロニクスが、
大規模なリストラを実施するようです。

ルネサス再建案は1万2000人以上削減、大規模リストラ断行へ(ロイター)

この記事によると、
削減を予定している12,000人というのは、
全従業員の3割近い人数だそうです。

このルネサスエレクトロニクス社は、
2003年4月に日立と三菱電機がシステムLSI事業を統合させて生まれたルネサステクノロジと、
2002年11月にNECが分社化したNECエレクトロニクスが、
2010年4月に経営統合して発足した会社だそうです。

日本の大企業が集結して運営している会社ですが、
世界では通用しなかったということになります

別の見方をすれば、
経営上の決断をする際に、
親会社3社に根回しして、
了解を得て、
月1回の取締役会で決定なんてことをしていたら、
世界で勝てないことは、
当然です

さて、
平成24年3月期のルネサスエレクトロニクス社の決算短信を見てみましょう。

売上高は、
8,831億円で、
前期比22.4%の減少

営業利益は、
567億円の赤字です

したがって、
営業活動によるキャッシュ・フローは、
969億円の赤字ですが、
なんと投資活動によるキャッシュ・フローは、
550億円の赤字です。

受注するためには、
投資が必要だけど、
受注したら、
儲からないという悲惨な状態です。。。

自己資本比率は、
25.4%あるし、
現金及び現金同等物も、
1,319億円あるので、
すぐに倒産することはないと思いますが、
大規模なリストラが必要なことは、
明白です

会社も、
人間の人生と同じで、
悪い方向に進みだすと、
さらに、
悪いことが起きたりします

ルネサスエレクトロニクス社も、
平成23年3月期と平成24年3月期に、
東日本大震災による損害として、
それぞれ、
495億円と1,276億円の損失を計上しています。
(連結損益計算書の特別損失「災害による損失」)

また、
細かい点ですが、
在庫が、
284億円(約23%)増えているのも、
嫌な感じです

さきほどのロイターの記事によると、
今回のリストラ費用などに必要な資金は、
1,000億円以上で、
親会社3社に対して、
増資をして、
資金調達をしようということのようです

しかし、
2010年4月に、
経営統合して発足した際にも、
日立、三菱電機、NECの3社は、
約1,200億円の増資を引き受けたということなので、
増資を成功させるためには、
人員削減の人数を増やすなど、
さらに厳しいリストラ策を提示することが必要だと思います



  
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2012年05月21日

当事務所でバイトしたU君、公認会計士の資格をゲット!

当事務所の基本方針の一つに、
「雇用を増やす」があります。

基本方針

雇用が増えれば、
給料が支払われ、
それによって、
給料をもらう人は、
生活ができたり、
自分に投資したり、
いろいろな良いことがあります

また、
雇用が増えれば、
治安が悪化するリスクも低いと思います

そこで、
当事務所は、
お客様に対して、
さまざまなサービスを提供して、
お客様の会社の雇用を増やそうと考えています

また、
当事務所も、
規模を大きくすることによって、
雇用を増やそうと考えています

当事務所は、
スタッフ数が、
私を含めて10名未満の事務所なので、
まだ「雇用を増やした」と胸を張って言えないのですが
引き続き努力して、
結果を出したいです

さて、
当事務所では、
会計士試験や税理士試験を受験している人を、
アルバイトとして雇用をしています。


U君は、
2007年から1年間、
当事務所でアルバイトをして、
2008年に、
見事、
会計士試験に合格し、
某大手監査法人に就職しました。

ただし、
実際に、
「公認会計士」の資格を得るためには、
実務を経験し、
さらに、
もう一回試験を受けて、
合格しないといけません

本日、
この試験の合格発表があり、
U君から、
「無事、
合格しました」という連絡が、
ありました

U君、
おめでとう

平成23年度修了考査の合格発表について

U君が合格したのは、
もちろんうれしいですが、
当事務所を退職して、
4年経過するのに、
きちんと連絡してくれることも、
すごーくうれしいです

こんなうれしい出来事があるので、
今後も、
事務所の規模を拡大し、
雇用を増やしたいと思います
  
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2012年05月20日

サッカーの欧州チャンピオンズリーグから学んだこと

本日は、
早朝の3時35分より、
サッカーの欧州チャンピオンズリーグを、
テレビで観戦予定でした

しかし、
2時過ぎに寝てしまい
目が覚めたら、
後半が始まった直後でした

幸運なことに、
前半は、
0対0。

後半、延長、そして、
PK戦と、
素晴らしい試合でした

チェルシー、
おめでとう

チェルシー初優勝 PK戦でバイエルン下す 欧州CL(朝日新聞)

チェルシーがPK戦制し初優勝/欧州CL(日刊スポーツ)

いろいろと学ぶべき点があったので、
以下、
備忘記録です。

1・勝利は、個人+チーム力から生まれる
どの選手も、
技術と体力は、
驚異的です

この個人の驚異的な能力に、
チームとしての、
戦術と結束力が、
結びつくことによって、
勝利に到達することができるのだと思います

2・集中力
バイエルン・ミュンヘンが、
攻めても、
チェルシーの選手は、
集中力を途切れることなく、
守備(ディフェンス)をしました

それが、
90分+30分=120分継続をしました

少し仕事をすると、
「あー、疲れた!休憩」とか言ってしまう自分が、
情けない。。。

3・守備(ディフェンス)が強いことは重要
サッカーの欧州チャンピオンズリーグは、
各国のリーグで上位となり、
さらに、
サッカーの欧州チャンピオンズリーグとして、
試合をします。

このような長期の戦いで、
勝利を得るためには、
守備(ディフェンス)が強いことが重要です

もちろん、
攻撃(オフェンス)も必要です。

しかし、
攻撃(オフェンス)が強くて、
守備(ディフェンス)が弱いと、
長期の戦いでは、
勝てません。

営業力が勝負の新興企業が、
一時は、
驚異的に売上高などが伸びても、
経理・総務系業務や、
人材投資を怠った結果、
顧客からのクレームや、
景気の悪化などにより、
あっという間に倒産してしまうのは、
攻撃(オフェンス)の強さを過信し、
守備(ディフェンス)を強化しなかったことが致命的だったということに直結すると思います

4・努力をした人間にも残酷な結果を与えることがある
バイエルン・ミュンヘンのロッベンは、
延長前半に、
PKを決められませんでした。

このPKの失敗は、
バイエルン・ミュンヘンの敗因でしょう。

また、
PK戦では、
4人目のオリッチ、
5人目(最後)のシュバインシュタイガーが、
決められなくて、
バイエルンミュンヘンは、
負けました。

試合後、
シュバインシュタイガーは、
顔を手で覆って、
落ち込んでいました

テレビに映る映像を見ながら、
「シュバインシュタイガーみたいに、
自分の失敗で、
チームの負けが決まったら、
自分だったら、
どうするだろう」と考えました

運命の神様は、
努力をした人にも、
残酷な結果を与えることがあります。

つまり、
一時的には、
努力が、
良い結果とはならないこともあるのです

したがって、
残酷な結果が与えられた時にも、
自暴自棄とならずに、
ある程度の時間が経過したら、
また、
夢の実現のために、
努力を開始しないといけないのだと思います

私も、
人生で数多くの失敗をしているので、
「七転び八起き」とか、
「ピンチはチャンス」という言葉を忘れないようにしています


5・ドログバはすごかった!
チェルシーのドログバは、
後半に1点取られた直後に、
ワンチャンスを生かして、
同点となるゴールを決めました

そして、
PK戦では、
5人目(最後)として登場し、
ゴールを決めて、
チェルシーは、
勝者となりました

決めるべきところで、
絶対に決められる人間になりたいと思いました

私には、
努力と実行が必要です



  
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2012年05月16日

税務調査で税務署との交渉が終了!

すっかりブログの更新をさぼってしまいました。。。

さて、
4月に実施された税務調査で、
税務署との交渉が完了していなくて、
未完了だった案件が、
ようやく交渉が終了し、
修正申告書の作成をして、
会社にお渡しをしました

こんなことを書くと、
「税金をいくら支払うのかということで、
税務署と交渉できるのか?」という質問を受けますが、
回答としては、
「できます」

たとえば、
ある会社に税務調査があり、
税務署が問題点と思われる事項を発見し、
それに対して、
「100」の税金が発生するとします

会社は、
追加の税金をどう考えるかというと、
「0」、
つまり、
追加の税金は支払いたくありません

ただし、
いろいろなことを考慮すると、
「0」という結論になることは難しそうなので、
「50」ぐらいなら、
支払っても良いかもしれないという判断を会社がしたとします

そこで、
税理士や会計士が登場し、
税務署と交渉するわけです

ここで、
税務署に、
「追加で支払う税金を50ぐらいにしてくれないか」と提案すると、
「いやー、
無理でしょ!」ということで、
結局、
「70」とか「80」の税金を支払うことになります

そこで、
「「20」とか「25」なら払っても良いよ!」という提案を作成します

税務署が「「100」払え!」と主張しているのに、
「「20」とか「25」なら払っても良いよ!」と いう提案をするのは、
簡単なことではありません

まず、
何が簡単ではないかというと、
会計士とか税理士は、
まじめな人が多いので、
性格的に、
「「20」とか「25」なら払っても良いよ!」 という提案をできない人がいます

次に、
この性格の問題を乗り越えられたら、
「なぜ「20」とか「25」払えば良いのか」という、
説明のストーリーを考えないといけません

つまり、
「「20」とか「25」しか払いたくないから、
これで納得してくれ」と税務署に言っても、
税務署は認めてくれません

そこで、
「このように考えて、
判断したので、
結果的に、
「20」とか「25」を支払います」という説明を、
税務署にするわけです

このような案を考えるためには、
以下が必要と考えます

1・会計と税法の根拠
2・大胆な発想の転換
3・度胸

今回は、
結果的に、
「「25」ぐらい支払うのが、
妥当である」という案を作成し、
提案したところ、
「おいおい、
それは、
勘弁してよ」ということで、
結局、
「50」ぐらい支払うということで、
税務署が納得し、
交渉が終了しました。

会社の社長さんとしては、
納得して支払える金額となりました

私としては、
「50」は、
必達目標で、
「25」とか「30」を目指していたので、
今回の税務署との交渉を自己採点すると、
100点満点で、
「65点」ぐらい。

ぎりぎり合格という自己評価です

なお、
税務署と支払う税金の交渉ができる前提として、
税務署が、
「この会社の経理を含む管理部門は、
しっかり仕事をしている」という印象を持ってもらうことが重要です

つまり、
管理系業務を担当する人数の違いはあると思いますが、
書類の作成や管理、
そして、
経理や税務の処理など、
全体として、
管理系業務をしっかり実施しているということが、
税金の交渉ができる前提条件ということになります


  
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2012年05月02日

キャバクラ嬢に6億円貢いだ男の事例から不正防止を学ぶ

「ZAKZAK」の記事(2012年4月30日)を読むと、
企業内で、
不正がなぜ起きるかという原因がわかります。

下町キャバクラ嬢に6億貢いだ男の悲哀 (ZAKZAK)

この記事によると、
事件の概要は以下です。

今年の4月11日に、
工業用ゴム製造大手「シバタ」(東京都)の元経理係長の33歳の男性が、
警視庁に逮捕されたそうです

何をやったかというと、
会社のお金を不正に引き出して、
亀有にあるキャバクラのキャバ嬢に貢いだそうです

警視庁によると、
会社から不正に引き出したお金は、
総額約6億4,000万円で、
そのうち、
約5億9,400万円を、
キャバ嬢に貢いだそうです

どうやって、
キャバ嬢が、
この男性に男を貢がせたかは、
ZAKZAKの記事を読んでください

まず、
この 工業用ゴム製造大手「シバタ」 とは、
どんな会社なのでしょうか?

株式会社シバタの会社概要を見てみると、
立派な会社です

設立は、
昭和29年なので、
もうすぐ会社設立60年となる老舗企業です。

売上高は、
平成23年3月期で、
約295億円なので、
上場していない会社としては、
大規模な会社です。

従業員数も、
約400名います。

従業員1人当たりの売上高は、
約7,000万円なので、
悪くないでしょう。

なお、
この33歳の男性社員は、
平成9年にシバタに入社ということなので、
高校を卒業して、
すぐに入社と推定できます。

そして、
平成12年に経理部に異動。

会社のお金を不正に引き出し始めたのが、
平成15年1月ぐらいからということで、
経理に配属されて、
3年後ぐらいからのようです。

つまり、
経理部の仕事を覚え、
周囲の信用も得た反面、
経理や支払の仕組みが理解でき、
不正を実行できる方法を発見してしまったのでしょう

この不正は、
7年間おこなわれたということなので、
平均すると、
1年間で約9,100万円です

年間の売上高約295億円の会社で、
年間約9,100万円のお金が無くなっても、
気が付かないのでしょうか?

このZAKZAKの記事によると、
この不正な引き出しが発覚したのは、
平成22年8月に実施された税務調査がきっかけだったそうです。

私の推定ですが、
この男性容疑者は、
仕入先、
または、
外注先を自分で設定し、
そこに、
会社のお金を振り込み、
お金を引き出していたと思います。

したがって、
税務署が、
仕入先や外注先は、
実在するのかということで、
納品物などを調べたら、
納品物はなく、
架空な仕入先・外注先であることが判明し、
会社の中が大騒ぎになったのだと思います

この推定が正しければ、
年間の売上高約295億円の会社で、
年間の支払金額が、
約9,100万円の仕入先・外注先というのは、
売上高の約0.3%なので、
目立たないとも言えます。

さて、
長いブログとなりましたが、
問題点は、
以下となります

1・支払先の管理とお金の振り込みを同一人物がしていた
2・他の人の仕事をチェックしていない
3・人事異動をしていない

この上記の3点からわかるように、
一つの業務を、
複数の人が実行することが、
不正な取引を防止するうえで、
とても重要です

もっとも、
一つの業務を、
複数の人が実行した場合でも、
この複数の人が共謀すると、
不正が生じる危険性はあります

また、
会社や部署の取扱金額に比較して、
1回の不正な取引金額が僅少な場合、
不正の発見は困難になります

「不正をする社員は、
当社には、
絶対にいない」という前提だと、
不正な取引が発生するリスクを負うことになります。

社員を信頼することと、
不正が起きない仕組みを作ることは、
両方必要なのです。 



  
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