2006年01月22日

日本経済改造論

題名:日本経済改造論
著者:野口悠紀雄
出版社:東洋経済社
定価:1600円(税抜き)

普段は、日本経済についての本など読まないので、正月休みから読み出した。
著者の野口先生は、
「週間東洋経済」に連載をしていて、その内容が興味深かったので、
この本を選択した。

本の内容は、現在の日本で当然のことと思われていることを、
経済学の理論や統計資料から反論して、
著者が正しいと信じる方向性や考え方を主張している。

具体的には、
「食料自給率が低いことはいけないか?」
「高齢化社会の到来は、問題か?」
「郵政民営化は、正しいか?」
「目標インフレ率の設定は有効か?」
などの問題点が扱われている。

また、年金問題では、厚生労働省が過去に計算間違いを行い、
それを隠蔽した事実を、資料を追いながら、証明している。

結局、
日本経済という大きな問題を扱う際の問題点は、
情報を握っているのは、
官僚なので、彼らの情報コントロールにより、
正しい情報がまったく伝わらないで、
われわれは、意思決定をしてしまったり、
税金や社会保険・年金関係のお金を徴収されているという点だと思った。

非常に、腹立たしい
今回のライブドア問題を見てもわかるとおり、
日本という国においては、
情報は、国家によって統制されていて、
一部のマスコミは、国家に服従することによって、
永遠の命を与えられているのである。

そうはいっても、いろいろ勉強になった本であった。

一方で、本書の欠点は、難しいこと
私は、経済学の基本は、なんとなく理解していると思う。
しかし、この本は、机の前で真剣に読まないと、理解はできなかった。
通勤電車の中で、読む本ではないと思う。
それから、読む際には、経済学の基本は、理解しているほうが良いだろう。

良い本だとは思うが、
万人に薦められる本ではないので、お勧め度は、
(なお、満点は、5こ。)
週末など、本を読む時間を確保した上で、
読むことをお勧めします。

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