石川県に本社がある真柄建設(東証と大証で1部)が、
7月5日に民事再生法を申請した。
会社のホームページは、
ここだが、
本日現在、事実上閉鎖されている。
会社が発表した文書は、これ。
この文書によれば、
平成19年12月に大阪支店で不適切な原価処理が行われてきたことが発覚し、
過年度を含めて約44億円の損失を計上。
さらに、今年の6月に、受注先の会社が倒産し、
資金繰り上の問題が生じ、
民事再生法の申請となったようである。
さて、
いつものように平成20年3月期の決算短信を見たいのだが、
真柄建設のホームページは事実上閉鎖されているので、
決算プロさんのサイトから平成20年3月期の決算短信を見てみる。
これを見ると、
平成19年3月期で、この会社は、すでに倒産の入り口に立っています。
なお、平成19年3月期は、後日訂正版が出ていました。
こちらも、同じく決算プロさんのサイトです。
平成19年3月期の訂正版は、
34ページからですが、
損益計算書は、営業利益以降が赤字。
自己資本比率は、5.4%です。
これを受けて、
平成20年3月期のキャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローは、
△3,438百万円です。
これだけから判断すると、
金融機関は回収できる貸付金は回収して逃げています。
しかし、不思議なことに、
「継続企業の前提」に関する注記では、
平成20年9月までに40億円の増資を実施することを、
北國銀行と北陸銀行から了解を得ていると書いてあります。
良くある話ですが、
金融機関のやっていることと、
言っていることにかい離があるようです。
さて、
石川県としては、
雇用や取引先のことを考えると、
大問題のようで、
7日には、石川県の知事をはじめとする関係者が協議したようだ(毎日新聞)。
負債総額約348億円で、取引先は約2000社ということで、
連鎖倒産の危険もあるという。
地方経済の傷み具合は、
都会に住んでいる人間が想像しているよりも、
ひどい状況のようだ。
なお、
ここでも理解に苦しむのが、北國銀行。
この毎日新聞の記事によれば、
北國銀行は、
真柄建設を引き続き支援をしていくようであるが、
「継続企業の前提」の注記に書いてあった増資は、
断ったそうだ。
増資の要請を断ったことは、
株主訴訟を考えると、
正しい判断だと思うが、
北國銀行は、真柄建設を再建できるのであろうか?
個人的には、
北國銀行の損失が拡大していく予感がする。