2008年07月08日

真柄建設民事再生法と金融機関の態度

石川県に本社がある真柄建設(東証と大証で1部)が、
7月5日に民事再生法を申請した。

会社のホームページは、
ここだが、
本日現在、事実上閉鎖されている。

会社が発表した文書は、これ

この文書によれば、
平成19年12月に大阪支店で不適切な原価処理が行われてきたことが発覚し、
過年度を含めて約44億円の損失を計上。

さらに、今年の6月に、受注先の会社が倒産し、
資金繰り上の問題が生じ、
民事再生法の申請となったようである。

さて、
いつものように平成20年3月期の決算短信を見たいのだが、
真柄建設のホームページは事実上閉鎖されているので、
決算プロさんのサイトから平成20年3月期の決算短信を見てみる。

これを見ると、
平成19年3月期で、この会社は、すでに倒産の入り口に立っています

なお、平成19年3月期は、後日訂正版が出ていました。
こちらも、同じく決算プロさんのサイトです。

平成19年3月期の訂正版は、
34ページからですが、
損益計算書は、営業利益以降が赤字。

自己資本比率は、5.4%です

これを受けて、
平成20年3月期のキャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローは、
△3,438百万円です。

これだけから判断すると、
金融機関は回収できる貸付金は回収して逃げています

しかし、不思議なことに、
「継続企業の前提」に関する注記では、
平成20年9月までに40億円の増資を実施することを、
北國銀行と北陸銀行から了解を得ていると書いてあります。

良くある話ですが、
金融機関のやっていることと、
言っていることにかい離があるようです

さて、
石川県としては、
雇用や取引先のことを考えると、
大問題のようで、
7日には、石川県の知事をはじめとする関係者が協議したようだ(毎日新聞)。

負債総額約348億円で、取引先は約2000社ということで、
連鎖倒産の危険もあるという。

地方経済の傷み具合は、
都会に住んでいる人間が想像しているよりも、
ひどい状況のようだ

なお、
ここでも理解に苦しむのが、北國銀行

この毎日新聞の記事によれば、
北國銀行は、
真柄建設を引き続き支援をしていくようであるが、
「継続企業の前提」の注記に書いてあった増資は、
断ったそうだ

増資の要請を断ったことは、
株主訴訟を考えると、
正しい判断だと思うが、
北國銀行は、真柄建設を再建できるのであろうか?

個人的には、
北國銀行の損失が拡大していく予感がする



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