2008年09月27日

慎重だけど着実に成長する会社と、急成長で倒産してしまったリプラス

先週は、
月末なのに出張してしまったので、
今週末は、土曜日と日曜日のともに仕事。

土曜日は、
今月が決算・申告の期限である会社に、
決算書と申告書をお渡しするために、
この会社を訪問。

社長さんに書類をお渡しする

この会社は、
設立してまだ数年だが、
業績は絶好調

特に利益率が高い

社長さんに、
「絶好調ですね。成功の秘訣は何ですか」と質問すると、
「いやいや、
明日どうなるかわからなくて、不安です」という返答があった。

たしかに、中小企業の社長というのは、常に不安。

この不安は、
売上高が増えても、
有能な幹部が増えても、
従業員が増えても、
社長を退任するまで決して消えることはない

逆に言えば、
この不安があるから、
社長は、朝から晩まで、土曜日も日曜日も関係なく、
働くのだと言える

私も、小規模な会計事務所の経営者なので、
この社長さんの不安な気持ちはよくわかる

「いやー、その不安は、
社長を退任するまで続きますよ。」と私が言うと、
「そうですよねー。」と社長さんも、納得の表情です。

一方で、
その不安を振り払うためにかどうかは不明だが、
急成長して、その結果倒産してしまったのが、
株式会社リプラス

この会社は、
帝国データバンクの倒産会社速報によると、
東証マザーズに上場していて、
9月24日に自己破産を申請。

上場企業で自己破産って、珍しいです

なんと、会社のホームページには、
破産管財人の名前で、
回収可能な資産に乏しく、
一般債権に優先する公租公課や多額な労働債権があることから、
破産債権に対する配当財源の確保が難しいために、
破産債権者には、配当ができない可能性が高いと書いてある。

そのために、
債権届出に関する破産債権者の費用と労力を省くため、
破産債権の届出もしないそうだ。

ひどいですね

この会社は、
いわゆる不動産業の会社。

事業内容は、
1・アセットマネジメント事業(8割)
稼働率の低いオフィスビルなどの用途転換(コンバージョン)や、
新築・高稼働の賃貸住宅に再生し、
利回り物件として保有あるいは売却を行う事業。
資産査定や投資スキームの構築・提案、ファイナンスアレンジや不動産再生に向けたプランニングなどを手がけていた。

2・賃貸住宅の保証・保険サービス(2割)
滞納家賃保証システムの提供、賃貸住宅管理会社の家賃回収業務などの業務受託。

恒例で、
最新の決算短信(平成19年12月期)を見てみる。

「あーー、こりゃだめだ。」

2008年、典型的な急成長から急ブレーキになってしまった、
倒産企業の決算内容です

収益性は急低下
(売上高営業利益率が、24.3%=>9.6%)

安全性は、
危険水準に突入
(自己資本比率が、10.0%)

成長性は、
急成長に、急ブレーキ
特に、売上が増加しても、利益が増加しない。
(売上高増加率は、91.9増から205.9%増になっているのに、
営業利益増加率は、74.1%増から21.5%増に減速傾向)

キャッシュ・フローは、
営業活動によるキャッシュ・フローが赤字から黒字に転換、
しかし、
投資活動によるキャッシュ・フローが赤字なので、
フリーキャッシュフローは、
当然に赤字。
したがって、
財務活動によるキャッシュ・フローは、黒字。

現金及び現金同等物の期末残高は
減少傾向で、
財務活動によるキャッシュ・フローが赤字になると、
一気に逝っちゃう感じです。

また、
2007年12月期の売上高は、
約351億円なのに、
棚卸資産残高は、
約353億円で、
1年で約350億円の増加である

こんな資金状況を見れば、
約1年分の売上高と等しい棚卸資産(在庫)が、
計画通りに売れなければ、
資金的に危機に陥ることは、
誰でもわかる。

ついでに、
平成20年12月期中間決算も見てみる。

平成19年12月の決算短信で発表した中間決算の数値と比較すると、
売上高が未達により、
営業利益以降が赤字。

当然に、
営業活動によるキャッシュ・フローは大幅な赤字。

現金および現金同等物の期末残高は、
平成19年12月末日で、
約242億円だったのに、
平成20年6月末日では、
約61億円

終わっています

なお、
この会社は、
2008年3月に監査法人を、
東陽監査法人から優成監査法人に変更しています。

東陽監査法人の知り合いが、
このリプラスの監査を担当していたと思うので、
守秘義務の範囲内で、
実状をそっと教えてもらおうと思います



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