題名:会計操作
編者:須田一幸・山本達司・乙政正太
出版社:ダイヤモンド社
価格:2800円
今週から、
第3四半期の決算発表が本格化する。
そうすると、
決算数値が確定できなかったり、
監査法人の承認がもらえなくて、
そのまま倒産してしまう上場企業が出てくることが容易に想定できる。
一方で、
倒産を回避するために、
粉飾決算をする企業もあるだろう。
この本では、
大学の先生達がアメリカの事例や日本の事例を統計的に分析。
本書の中で、
日本やアメリカの実在する決算書を対象に、
統計的手法を適用し、
粉飾決算を研究している。
執筆の目的は、
以下の7つだそうだ。
1・なぜ会計操作をするのか
2・粉飾決算に結びつく会計操作をいつするのか
3・どのような会計操作をするのか
4・粉飾決算に結びつく会計操作は発見可能か
5・会計操作と監査はいかに関連しているのか
6・会計操作でだれがだまされるのか
7・会計操作は株式市場にどのような影響を与えるのか
経理には、
見積もりや会計基準の選択など、
いくつかの経営者の判断が認められている。
これが、
利益調整に結びつくことがある。
利益調整とは、
「経営者が、
会計上の見積もりと判断および会計方針の選択などを通じて、
一般に認められた会計基準の枠内で当期の利益を裁量的に測定するプロセス」と定義している。
この利益調整において、
きわめて意図的な利益増加型の利益調整を会計操作と定義している。
いろいろな話が体系的に論じられ、
まとまっているので、
企業の決算に関連した仕事をしている人が読むと、
頭の中がすっきり整理されて、
良いと思います。
また、
統計的手法の部分は、
読み飛ばしてしまっても問題ないと思います。
お値段が高い本ですが、
本の値段相応の内容が記載されています。