今日は、
2つの見方ができる1日。
ひとつの見方は、
バレンタインデーの1日前というなんとなくみんなが幸せな気分になれる日。
もう一つの見方は、
13日の金曜日という不幸が訪れるのではないかと予感させる日。
今日のブログは、
私の仕事がたまっていて、
とても明るい気分にはなれないので、
13日の金曜日ネタです。
マンション分譲のニチモ、民事再生法を申請 負債総額757億円(日本経済新聞)
ニチモは、
東京証券取引所2部上場。
上場企業の倒産は、
2009年になって7社目。
昨年1年で倒産した上場企業が30社超なので、
今年は、
去年以上にハイペースです。
さっそく、
ニチモの決算書を見てみましょう。
こちらが、
民事再生手続きの開始の申し立てに関するお知らせ。
これを読むと、
支払手形の支払いができないことが予測できたので、
民事再生手続きの開始の申し立てをしたことがわかります。
9月決算ということで、
決算短信が2008年11月に発行され、
有価証券報告書も2008年12月に発行されたばかり。
したがって、
どちらにも「継続企業の前提に関する重要な疑義を抱かせる事象または状況」が記載されています。
決算短信の16ページ、
有価証券報告書の39ページをご覧ください。
さて、
いつものように決算短信を見てみましょう。
2008年の6-9月に倒産した会社と異なり、
最近の決算なので、
決算書は、
すでにぼろぼろの数字が並んでいます。
まず、
減収減益で、
営業利益から下が全部赤字。
つまり、
本業がまったく儲かっていません。
とくに、
売上と利益の落ち込み具合が激しい。
売上高が、
665億円から353億円へと46.8%減少。
つまり、
売上高が、
半分になっちゃった。
万が一、
当事務所で売上が1年間で半減したら、
もちろん、倒産です。
営業利益も、
44億円の利益だったのに、
80億円の赤字。
激しい落ち込みです。
これを反映して、
自己資本比率は、1.6%。
債務超過寸前です。
もちろん、
営業活動によるキャッシュ・フローは、147億円の赤字。
これだけ、
倒産の前兆を感じさせる数字が並んでいるのに、
平成21年9月期の業績予想では、
増収で、営業利益が黒字化するという数字を発表しているのが、
今になってみると、
とっても悲しい。。。。
もうひとつ、
13日の金曜日にふさわしい暗い話をすれば、
棚卸資産(在庫)は、
644億円。
上記に書いたように、
売上高は、
665億円から353億円へと46.8%減少。
営業マンが、
どんなに気合がある連中が集まっているといっても、
年間売上の2年分の在庫があるのと知れば、
気合も萎えてくるのではと思います。
さて、
今後も、
不動産業界の倒産は、
まだまだ続くと思われます。
ただし、
マンションを分譲している会社の倒産の話を聞いて、
いつも思うのは、
倒産した会社のマンションを買ってしまった人々の気持ち。
せっかく一生に一度の大きな買い物をしたのに、
販売元の会社が倒産してしまったとなると、
不動産としての価値やブランドは激しく落ちるし、
住環境の維持も不安に感じると思います。
民事再生が順調に進むことをお祈りしています。