月曜日と火曜日は、
武田薬品工業株式会社で、
新入社員を対象とした研修のセミナーの仕事です。
全新入社員を対象ではなく、
ある一部の部署が対象なので、
受講生は、
10名弱。
受講内容は、
月曜日は決算書、
火曜日は経営分析という、
私の得意パターンです。
新入社員は、
全員薬学部卒なので、
この2日間で聞くような内容は、
はじめて聞く内容です。
しかし、
かえって理系出身者のほうが理解が早いかもしれません。
18時前に無事終了。
みなさん、
2日間熱心に聞いていただき、
ありがとうございました。
現場に配属されたら、
ぜひ、
実務に活用してください。
さて、
武田薬品工業さんは、
日本で製薬業界NO1企業。
平成21年3月期決算短信を見てみましょう。
売上高営業利益率は、
19.9%。
日本企業の平均が2%ぐらいと考えると、
非常に収益性が良いが、
平成20年3月期が30.8%だったことを考えると、
楽観はできない。
自己資本比率が72.9%と高いのは、
長期間にわたって、
リスクのある研究開発をしないといけない製薬業界では、
各社共通事項。
明日、
倒産するかもしれないという状況では、
落ち着いて、
リスクのある研究開発をやってられません。
問題となりそうなのは、
増収減益であること。
売上高増加率は、
11.9%の増加だが、
営業利益増加率は、
27.6%の減少。
当期純利益は、
34.1%の減少である。
キャッシュ・フローの状況を見ると、
営業活動によるキャッシュ・フローの金額を上回る金額を、
投資活動によるキャッシュ・フローに使用している。
ミレニアム社という会社を8335億円()で買収したようである。
そんなこともあり、
平成22年3月期は、
減収増益の業績予想を発表している。
業績予想通りの数字が達成できれば、
売上高営業利益率は、
26.3%まで回復する。
業界NO1企業ですが、
タフな挑戦をしています。
今回の研修中にも、
業界NO1企業としての、
厳しさと、
紳士的社風の両方を感じました。