題名:1Q84
作者:村上春樹
出版社:新潮社
価格:1800円(税別)=>ただし、1・2の2冊組みなので、合計3600円(税別)
発売した直後の今年の春に購入。
しかし、
2巻合わせて1000ページの本を読む精神的余裕がなく、
この時期まで放置。
そろそろ2009年も終了してしまうので、
年内に読もうということで、
着手。
非常に面白かったです。
私が初めて村上春樹の本を読んだのが、
1982年に発売された「羊をめぐる冒険」。
記憶によれば、
大学入試を直前に控えた高校3年生の秋に、
購入して読んだ。
大学入試に出題されるような文学作品や論評しか読んでいなかった私は、
書いてあることが、
わかるようでわからない村上ワールドに大変に衝撃を受け、
すぐにファンとなりました。
もっとも、
大学入試直前にこんな本を読んでいたら、
入試に合格するはずもなく、
受験した大学は、
全て不合格。
無事に、
大学に合格して、
入学できたのは、
1984年春でした。
そんなわけで、
村上春樹を読み始めて27年目となるが、
やはり面白かった。
私が面白いと感じたのは、
2面性。
1つのことを2つの面からみるとどうなるか?
世の中には、
違う視点からみると、
見え方が違うことがよくある。
理想と現実、未来と過去、目標と結果など、
いろいろとある。
この作品でも、
「青豆」と「天吾」という2人の主人公が、
登場し、
現実に存在する東京という舞台で、
「おはなし」という架空の話が展開する。
「架空の話」には、
この世には、
存在しない事実(2つの月)や生き物(空気さなぎ)が、
登場する。
しかし、
村上春樹の驚異的に精緻な文体で記述されると、
あたかも自分でも実際に見ているかのように、
目の前に展開され、
受け入れることができる。
1000ページぐらいのお話ですが、
全く飽きることなく、
読むことができました。
それから、
この本を読むことで、
仕事でも役に立つことを発見しました。
まず、
物事は2つの視点から見ないといけないということ。
外部と内部、自社と顧客、自社と競合会社、現在と未来など、
さまざまなフレームワークを持つトレーニングをしていますが、
2つの視点から常に見ることによって、
わかることが格段に多くなり、
その結果、
良い点や問題点、リスクの発見をすることができます。
次に、
文章力の重要性。
どのように単語をつなげ、
文章を構成するかによって、
同じ内容でも、
読み手に伝わらないことがあります。
お客様だけでなく、
社内向けや上司にレポートを書くことは、
ビジネスパーソンにとって、
よくある話だと思いますが、
文章力を高めることは、
とても重要だと思いました。
そんなわけで、
もし、
あなたがまだ「1Q84」を読んでいないのなら、
年末年始に読んでみてください。
2冊合わせて、
4000円もするので高いという人は、
BOOK・OFFとかに行けば、
安く買えると思います。