久々に税金ネタです。
最高裁の判決が出て、
1審、2審の国税局勝訴の判決が破棄されて、
国税局が負けたそうです
。ホステス税額:非出勤日も控除対象 最高裁初判断(毎日新聞)
国と飲食店経営者で争っている原因は、
以下の「3源泉徴収の方法」の解釈です。
ホステス等に支払う報酬・料金等(国税庁・タックスアンサー)
この「3源泉徴収の方法」には、
ホステス等(等には、ホストも含むのでしょう
)さんたちに支払う報酬金額から、差し引くべき源泉所得税の計算方法が説明されています
。源泉所得税の計算方法は、
ホステスさんたちに支払う報酬金額に、
直接10%を乗じて、
徴収するべき源泉所得金額を計算するのではありません
。徴収するべき源泉所得税額は、
5千円に、
その報酬・料金等の「計算期間の日数」を乗じて、
計算した金額を差し引いた残額に、
10%の税率を乗じて算出するとなっています
。さて、
今回の裁判で争点となったのは、
この「計算期間」の解釈です。
原告の飲食店経営者は、
ホステスさんの報酬を半月単位で支払っていました。
そこで、
「計算期間」を15日または16日として計算していたようです。
ところが、
国税庁は、
この半月における「実際の出勤日数」じゃないとだめだと主張をしたというわけです。
ホステスさんから見ると、
原告の飲食店方式のほうが、
差し引ける金額が大きくなるので、
その結果、
源泉徴収される所得税の金額は少なくなるので、
手取り金額が多くなり、
うれしいでしょう
。経営者から見ても、
原告の飲食店方式のほうが、
上記に書いたように、
ホステスさんたちは喜ぶので、
お店の士気は上がります
。さらに、
ホステスさんたちの報酬を計算をする実務担当者も、
原告の飲食店方式のほうが、
個人別に出勤日数を計算・管理する必要がないので、
事務の正確性と簡略化が確保でき、
うれしいです
。唯一、
この原告の経営者方式で嬉しくないのが、
源泉所得税の徴収金額が少なくなってしまう税務署なので、
差し引ける日数は、
計算期間の日数ではなく、
出勤日数だというわけです
。では、
「計算期間」は、
計算期間なのか、
計算期間の出勤日数なのかというと、
所得税法施行令第322条をみても、
「計算期間」としか書いていなくて、
「当該期間における出勤日数」だとは書いてありません。
したがって、
最高裁の判決では、
「法律の文言通りに税務署は、
法律を運用しなさい。
勝手に税務署の都合良く、
運用をしてはだめですよ!」ということになったというわけです
。さて、
この毎日新聞の記事を読んで私は考えました。
もし、
当事務所のお客様に、
ホステスさんがいるような飲食店を経営している会社があって、
その会社の実務担当者から、
「計算期間は、
報酬の計算期間で良いのか、
報酬の計算期間の出勤日数で良いのか」と、
質問されたら、
私は、
どのように会社に回答をしていただろうか?
たぶん、
「計算期間」=「計算期間における出勤日数」と、
回答していたと思います
。なぜなら、
さきほどのタックスアンサーの
「3源泉徴収の方法」の計算例を見ると、
「例1 6日分の報酬・料金等10万円を支払う場合」となっています。
「計算期間」が6日というのは、
実務的には想像しにくいでしょうから、
「出勤日数」が6日と解釈するのが自然でしょう。
このような税務署の作った例に惑わされないで、
条文の文言を信じて、
裁判で国税局と戦った飲食店の経営者に、
深く敬意を表します
。(今回の最高裁の判例を受けて、
タックスアンサーの例が変わったり、
注釈が付されたりするのでしょうか
)