やらなければいけないことがたくさんあるが、
あるお客様の会社に、
税務署の人が来るというので、
その会社を訪問した。
税務署の職員が、
その会社を訪問した用件は、
「電子申告(e-TAX)を利用してください」ということです。
国税庁は、
申告と納税をインターネット上で行う「e-Tax」というシステムを数年前に開設したが、
使い勝手が悪く利用率が非常に低かった
。

そこで、
「e-Tax」の使い勝手を改善するとともに、
税務署の幹部級職員(副署長クラス)が、
各社や会計事務所を訪問して、
e-TAXを使用することを説得する工作を、
2年前ぐらいから熱心に行っている。
最近は、
法人会の訪問を強化しているようで、
本日のお客様も、
地域の法人会の役員をしているので、
税務署の職員の訪問を受けたというわけです。
さて、
税務署職員が先に会社に来ていて、
会議をする部屋で待っていて、
その部屋に入った私はびっくりした
。

なんと3人もいる
。

税務署のNO.2の副署長は来ていなかったが、
一般企業における部長と課長と肩書きなしの3人が来ていた。
e-TAXの利用を促す以外に、
他に仕事はないのか?
無茶苦茶、
人件費の高い会議になってしまった
。

お役所のコスト感覚のない行動にはびっくりする。
もっとも、
e−TAXの利用状況については、
毎年このような利用状況の報告書(平成21年度におけるe−TAXの利用状況について(概要))が発行されている。
したがって、
税務署としても、
システム投資を正当化し、
組織を自己防衛をするのに、
必死とならざるを得ないという状況だ
。

ちなみに、
この「平成21年度におけるe−TAXの利用状況について(概要)」の別紙1-2を見ると、
利用率が書いてあります。
法人税は、
平成21年度48.9%。
半分が利用していて、
半分が利用していないということになります。
ちなみに、
当事務所は、
利用することにメリットを感じないので、
利用していません
。

敢えて、
当事務所を正当化すると、
東京のような都会では利用率が低く、
地方では利用率が高いと、
個人的に推測しています。
この推測の根拠は、
地方だと、
税務署に書類を提出するために行くのが遠くて大変という理由のほかに、
法人会など地域の組織に対して、
税務署が各種の強烈なお願いをしていることも背景にあります。
個人的には、
電子申告のメリットをあまり感じないので、
今回の申し出を断ろうかと思ったけど、
法人会の幹部をしているというこの会社の幹部の顔をたてるために、
「了解しました」ということで、
30分で会議は終了
。

e−TAXの利用率を上げるためには、
システムの使い勝手を良くするために、
地道に改善を積み上げていくべきだと思いますが、
本日のように、
日本的な利用率を上げる方法を目の前にすると、
e−TAXの使い勝手の向上に期待が持てないとともに、
利用しようという気持ちが萎えていきます
。
