報道によると、
100円ショップを展開する小売企業のキャンドゥの創業社長である城戸博司社長が、
61歳という若さで、
お亡くなりになったそうです。
毎日の仕事で、
創業社長さんとお仕事をさせていただいている私としては、
心が痛むニュースです。
報道によると、
20日に、
東京都港区の自宅マンションで死亡しているのが見つかったそうで、
病死とのことです。
当該死亡により、
会社のホームページでは、
代表取締役の交代が発表されています。
これが、
会社が発表した文書です。
新代表取締役は、
城戸氏と北川氏。
城戸氏は、
亡くなった社長の長男で、
今度の4月で入社3年となる1985年生まれの25歳。
経歴を見ると、
他社で働いた経験はなさそうだし、
キャンドゥの現場(店舗)経験は、
入社直後の6カ月だけで、
あとは商品部と、
経営企画室に勤務ということで、
いろいろな経験が不足していることは一目瞭然。
強みとしては、
yahoo!のファイナンスを見ると、
社員の平均年齢が、
28.7歳なので、
社員と年齢が近く、
現場の人たちの共感を得やすいでしょうが、
現場で働いた経験がないと、
共感も得られないかもしれません。
そこで、
番頭としてこの若代表取締役を支えるのが、
北川氏です。
1954年生まれの56歳で、
キャンドゥ社には在籍15年で、
商品、店舗開発、営業の部長を歴任し、
経験豊富で、
社内外の人脈を掌握していることが予想できます。
長男の城戸氏が、
会社を経営できるようになるまでのあと10年ぐらいは、
この2人がキャンドゥを率いるのでしょう。
もっとも、
この2人には、
キャンドゥが、
11月決算ということで、
今月の25日に株主総会というビッグイベントがあります。
平成23年1月13日に発表された平成22年11月の決算短信を見てみましょう。
売上は、
0.7%の減少ですが、
営業利益は、
24.5%の増加。
これだけを見ると、
良さそうな感じですが、
売上高営業利益率は、
1.6%。
100円ショップが、
薄利多売であることが、
決算短信でも証明されています。
もっとも、
自己資本比率は38%だし、
営業活動によるキャッシュ・フローの区分もプラスなので、
倒産の心配は、
当面ないようです。
ただし、
会社も、
この低収益な体質を脱却したいようで、
決算短信の6ページの「目標とする経営指標」には、
中期的には、
売上高営業利益率を3%(現在1.6%)、
総資産経常利益率(文中の表記は、総資本経常利益率)を10%(現在4.9%)にしたいと書いてありますが、
会社が中期の目標だと書いているように、
短期的には、
実現は難しいと思います。
なお、
業績予想から計算される平成23年11月期の売上高営業利益率は、
1.8%。
先代社長から、
予期しないタイミングで、
長男の城戸氏に、
社長職が引き継がれましたが、
番頭格の北川氏や社員のみなさんと協力して、
創業社長が目指した「目標とする経営指標」を、
是非、
クリアしてほしいと思います。
城戸博司氏のご冥福をお祈りします。