2011年07月12日

諏訪内晶子さんの脱税の報道を読んだ個人的感想

国際的なバイオリニストである諏訪内晶子さんが、
東京国税局の税務調査を受け、
2009年までの5年間で計約7000万円の所得隠しを指摘されたと、
ネットで報道されています

諏訪内晶子さん、7千万円所得隠し・・・国税局指摘(読売新聞)

有名人を摘発して、
「きちんと納税しないとダメだよ」という、
国税局の「告知」です

国税局の「告知」に使われてしまった諏訪内さんにとって、
迷惑な話です

個人的には、
毎回のことですが、
諏訪内さんは、
逮捕されたわけではないのに、
このようなニュースが世間に報道されるのかが疑問です

国税局が、
記者クラブの記者に情報を流して、
報道していると想定できますが、
国家公務員の守秘義務に違反しているのではと、
疑問に思っています

さて、
上記の読売新聞の報道が事実だという前提で、
いくつかポイントの解説です。

1・5年間
指摘された所得の金額は、
5年間で7000万円です。
従前このような税務調査では、
3年間の調査が行われていました。
(私が、
2009年に税務調査を受けた時も、
過去3年分でした。)
しかし、
今回のような事案を公にすることによって、
過去5年間の調査というのを一般化したい国税局の意図を感じます

2・認定
読売新聞には、
以下のような記載があります。

「日本国内の公演料やCDの印税などの収入は申告する一方で、
海外公演の報酬などを意図的に申告していなかったと認定された。」

「認定」というのは、
税務当局が、
「意図的に申告していなかった」と「決定」したのであって、
本人が認めたわけではありません。

税務署は、
この「認定」ができるので、
納税者には、
恐怖の存在です

想像で書いていますが、
本人が、
海外での所得を意図的に申告していなかったかは、
本人のみしかわかりません。

海外での所得に対して、
既に源泉所得税が徴収されたりしていれば、
納税が完了していると思ってしまう場合もあるのではないでしょうか?

3・日本で納税する判断基準は、日本での滞在日数だけではない
読売新聞の記事に以下のような記載があります。

諏訪内さんは住所地について、
雑誌のインタビューで、
フランス・パリと語り、
1年の半分以上を海外で過ごしていたが、
税務申告は、
日本の居住者として、
東京国税局管内の税務署で行っていた。

これを読んで、
なぜ1年の半分以上を日本で過ごしていないのに、
日本で納税しているのかと疑問に思った人がいると思います

年間の日本での滞在日数が、
183日未満であれば、
日本での納税は、
不要だと考えている人がいますが、
これは、
誤りです

滞在日数だけで判断するのではないので、
国税局のタックスアンサーのここを読んでください。

4・経理ミス
経理ミスで想定されるのが、
申告は、
入金ベースではなく、
売上ベースで行わないといけないということです。

具体的には、
諏訪内さんは、
12月までにコンサートを実施したら、
売上計上しなくてはいけないのですが、
12月までに入金した金額で、
申告したのではないかと、
推定されます。

これは、
悪質な隠ぺいや仮装といった悪意はなかったということになったのでしょう。

したがって、
申告漏れ金額約9000万円に対して、
悪質な隠ぺいや仮装だという部分に対しては重加算税が課せられ、
経理ミスにたいしては、
通常の過少申告加算税が課され、
合計して、
約3000万円を追加で、
納税したということになるのでしょう。

なお、
実際には、
上記のほかに、
住民税の支払いも発生するので、
さらに、
約1000万円ぐらいを支払うことになると思います

海外での所得については、
国税局のチェックが厳しくなっているので、
該当する人は、
甘く考えないほうが無難です



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