本日の大手新聞社系ホームページでは、
オリンパス関係の報道がされています。
オリンパス、監査役にも賠償請求へ 調査委が責任認定(朝日新聞)
オリンパス:歴代監査役を提訴へ…調査結果受け賠償請求(毎日新聞)
なんで、
取締役ではなく、
監査役を提訴する話になっているのかというと、
本日(1月17日)に公表されたのは、
監査役等責任調査委員会による調査報告書だからです。
公表されている調査報告書は、
これです。
なお、
1月10日に取締役責任調査委員会による調査報告書が、
公表されています。
公表されている調査報告書(要約版)は、
これです。
さて、
本日(1月17日)に公表された監査役等責任調査委員会による調査報告書の話をします。
この調査報告書は、
全部で186ページもある大作なので、
簡単には読めません。
そこで結論だけをみようとすると、
160ページ以降に書いてあります。
調査委員会が、
責任追及しているのは、
監査役・監査法人・執行役員です。
まず、
監査役のうち、
5名については、
善管注意義務違反があったとしていて、
オリンパス社の損害金額は、
3,725,561,170円+4,656,759,788円=8,382,320,958円。
つまり、
約83億円の損害があったとしています。
したがって、
将来的には、
この5名の監査役に対しては、
損害賠償請求が行われると思います。
また、
監査法人については、
あずさ監査法人と新日本監査法人について、
有価証券報告書の虚偽記載と違法配当に関する注意義務違反については、
注意義務違反はないとしています。
最後に、
執行役員については、
全員、
不当または不適切な業務執行行為はなかったとしています。
以下は、
これを読んだ私の感想です。
監査役は、
暇で、
楽な仕事だといわれていましたが、
リスクがある仕事であることがわかりました。
次に、
監査法人は、
調査報告の内容次第では、
損賠賠償請求をされる危険性があったので、
注意義務違反はなかったということで安心しているでしょう。
しかし、
世間一般の人には、
なぜ監査法人は責任を負わないのかが、
わかりにくいと思います。
それから、
この調査報告書では、
今回の損失隠しに協力した人物や会社が、
「外部協力者」として、
具体的に特定されています。
彼ら(ウォルチ、佐川、チャン、中川、横尾)は、
巨額の利益を得たと思われますが、
罪を問われないのでしょうか?
この点は、
私としても納得できないので、
今後、
注目したいと思います。