2012年02月02日

FacebookがIPOするので、決算書を見てみた

ファイスブックが、
株式公開を申請しました

フェイスブックが上場申請 時価総額7兆6千億円(朝日新聞)

この記事によると、
最大で50億ドル(約3,800億円)の調達を見込み、
時価総額は最大1,000億ドル(約7兆6,000億円)だそうです

時価総額を日本企業と比べると、
1位のトヨタ自動車(約9兆6,000億円)に迫り、
2位のNTTドコモ(約5兆9,000億円)を上回るそうです

すごいですね

もっとも、
日本の大手メディアは、
Facebookの上場申請を、
大きく扱っていません

日本の大手メディアは、
Facebookを「敵」とみなしていて、
意図的にFacebookの上場の記事の扱いを小さくしていると考えるのは、
深読みしすぎでしょうか。。。

一方、
海外のメディアは、
大騒ぎをしています。

まず、
今回のFacebookの株式上場のポイントを知りたければ、
これがお勧めです

The most interesting data points in Facebook’s IPO(Reuters)

そして、
ロイターのサイトには、
この 今回のFacebookの株式上場のポイント を記載した記事の出典元で、
今回のIPOで、
Facebookがアメリカの証券取引委員会に提出した書類の全文が、
掲載されています

Full text: Facebook’s IPO filing(Reuters)

そして、
この書類の158ページから連結の決算書が表示されているので、
見てみました

ちなみに、
Facebookは、
12月決算会社なので、
2011年12月31日時点での数字で、
非常に新しい情報です

まず、
連結損益計算書は、
3期分(2009年12月期・2010年12月期・2011年12月期)掲載されています。

売上高は、
777百万ドル=>1,974百万ドル=>3,711百万ドルへ増加。

売上高増加率は、
154.1%=>88.0%と驚異的です

一方、
営業利益は、
262百万ドル=>1,032百万ドル=>1,756百万ドルへ増加。

営業利益増加率は、
293.9%=>70.2%と驚異的です。 

これらの情報より、
売上高営業利益率を計算すると、
以下となります。

33.7%=>52.3%=>47.3%

非常に効率良く儲けています

しかし、
自己資本当期純利益率(ROE)を計算してみると、
悪くはないですが、
それほど良いというわけではありませんでした

2010年12月期と2011年12月期の 自己資本当期純利益率(ROE) を計算してみると、
以下となります。

10.5%=>13.2%

原因は、
資産及び純資産が過大のようです。

売上高は、
上記にも書いたように、
777百万ドル=>1,974百万ドル=>3,711百万ドルへと増加していますが
資産も、
2,990百万ドル=>6,331百万ドル=>6,660百万ドルへと増加しています

現状の数字だけを見ると、
売上高と資産のバランスは良くなくて、
資産の金額に比較して、
売上高の金額が、
少し小さいので、
資産を効率的に利用して、
売上高を計上することは、
実現できていないようです

ちなみに、
2011年12月期の資産6,660百万円の中身は、
1,512百万ドルが現金預金、
2,396百万ドルが換金が容易な有価証券、
そして、
1,475百万ドルが建物などの有形固定資産です。

今回の株式の上場で、
さらに、
5,000百万ドルの資金調達をするということなので、
この巨額の資金を利用して、
他社の買収をさらに進めることが容易に想像できます

また、
計算をしても意味はないのですが、
安全性の指標である自己資本比率は、
72.3%=>77.4%=>78.5% 

また、
キャッシュ・フロー計算書を見ると、
3会計期間ともに、
営業活動によるキャッシュ・フローは、
黒字です。

したがって、
この自己資本比率と営業活動によるキャッシュ・フローを見ると、
倒産の危険性は、
0%です

また、
財務活動によるキャッシュ・フローの区分を見ると、
過去の3会計期間においても、
資金調達をしていて、
転換社債や株式の発行などで、
200百万ドル=>500百万ドル=>998百万ドル
の資金調達をしています。

この数字を見ると、
今回の株式の上場によって調達する資金の 5,000百万ドルの大きさがわかります

さて、
Facebookの株主ではなく、
利用者である私は、
今回の株式の上場で得た資金を利用して、
Facebookが、
さらに使いやすく、
楽しくなると嬉しいです




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